開院から5年が経ちました。 院長コラム#043
2025.10.20 院長コラム
院長の吉冨です。
2025年10月20日で開院から5年が経ちました。
短くも長くも感じる5年間でしたが、医師としてとても充実した5年間であったことは間違いありません。
当院は開院当初からの理念として、医療サービスの質にこだわってきました。その成果は開院後より衰えることはなく、この1年間も大きな医療トラブルはありませんでした。産後の母体搬送や輸血をした症例も0件で、当院の強みである緊急時の体制が十分機能しており、迅速な対応と適切な管理ができたものと思います。また、早い妊娠週数での破水などからの母体搬送は全体の1%未満、呼吸障害等での新生児搬送も同様に1%未満であり、ハイリスク妊娠も多く扱っているクリニックでこのような良好な結果が出ていることに対して、しっかりとした医療の提供ができているとあらためて実感いたしました。
このような医療サービスの充実が実現できている背景には、スタッフの努力と貢献がかなり大きく、感謝とともにとても頼もしく感じています。特に、近年入職したスタッフの成長は著しく、理論を追求した当院の教育方針にきちんと応えてくれていると思われ、年々スタッフのレベルが向上していることを実感するとともに、さらなる質の向上を目指していきたいと思います。
産科診療は命の誕生に立ち会えるという華やかなイメージが強いと思いますが、その反面、緊急性が高く、24時間対応しなければならないといった過酷な環境下で私たちは日々、患者様と向き合っています。私たちの目指す安全なお産に賛同し、協力してくれる妊婦さんとその家族が増えてきてくれていることも良好な結果をもたらしているものと思われます。
また、退院後に感謝のお手紙を送ってくださる方やわざわざお礼に来院してくださる方が増えているように思います。当院の医療サービスに満足してくださり、その内容に感動してくれている証拠であり、これは本当にすごいことだと感じています。「無事に生まれて当たり前」、「自分たちにはなにも悪いことは起きない」と多くの方は思っていると思いますが、妊娠・出産は本当に何が起こるかわかりません。従来、産科診療は医療サービスに重点を置いて病院選びをするというよりも、産後のお祝い膳だったり、エステだったりと医療とは全く関係のない医療外サービスに目が行きがちであり、本来の目的を見失いやすい診療科でもあります。医療外サービスが全く不要とは思いませんが、良い医療を提供することが我々の使命であり、最大の目的であるという原点に立ち、それを5年間愚直に実行してきたことが、評価されてきていることはとても感慨深いです。
私は現在の状況に満足はしていますが、まだまだ十分であるとは思っていません。医療の質の向上を追求していくことはもちろんのこと、様々な工夫を行うことでより快適な妊娠・産後生活がおくれるようクリニックが一丸となってさらなる進化をしていきたいと考えています。
また、個人的に行っている無痛分娩の安全対策の啓蒙、教育をより強化していき、世の中の無痛分娩の質の向上に寄与していきたいと思っています。
最後に、現在の当院スタッフは本当にレベルが高く、向上心を持って業務を行ってくれている人が多いです。このような素晴らしいスタッフに恵まれたことに感謝しつつ、スタッフの幸せにもつなげていきたいと思います。また、無事に出産してくれたお母さんたち、現在通院してくれている妊婦さん、母児のサポートをしてくださっているご家族、地域の皆様、当院のサポートをしてくれている関係者の方々。当院を支持、理解してくださり本当にありがとうございます。
皆様のご理解、ご協力を今後ともよろしくお願いします。