当院の取り組み その2:妊婦さんとその家族への教育 院長コラム#018

2022.03.21 院長コラム

妊婦さん本人や家族に妊娠・出産・育児に対するきちんとした知識を身に着けていただき、有意義で安心な妊婦ライフを過ごしていただきたいという思いから、医師による教室や助産師外来、オリジナル参考書の配布(当院での出産を希望している方のみ)を行っております。

 

妊娠・出産・育児に対する事前学習はとても大切なこと

 妊娠中は人が罹り得る全ての病気になり得ますが、妊娠しているが故の特殊な症状や病態を呈することがあります。
例えばインフルエンザは妊娠中でももちろん罹りますし、虫垂炎にだってなります。
しかし、切迫早産などは妊娠していなければ起き得ませんし、そもそも妊娠中はお腹の赤ちゃんのことを気にかけて生活する必要があります。

また、出産はもっともお母さんも赤ちゃんも危険にさらされる一大イベントです。
安全にお産をするには様々な医療介入を必要とすることがあり、完全に我々任せにするのではなく、一緒に出産に臨む必要があります。
産後のケアについても同様です。妊娠中から準備をしておくことがスムースな育児につながります。

 

医師による教室の開催

 助産師による外来や教室は多くの病院で開催され、妊娠や出産、育児について必要な知識や考え方を教えてくれます。
当院でももちろん助産師外来や日々の診療の中で指導をしたり相談にのったりはしていますが、医師による一般向けの教室を行っている病院はほとんどないのではないかと思います。
医師でなければお伝えできないような話や病気に対する考え方、よくある事例の対応方法など、妊娠・出産を控えている方には是非知っていただきたい知識をいろいろな角度でわかりやすく解説しています。
今、私が開催している教室の内容は、「出生前診断について」、「医療介入を必要とする分娩方法について」、「無痛分娩について」です。
院長クラスの詳細はこちら☞https://www.mcl.baby/medical-info/#area4

 

私が教室を通じて伝えたいこと

 私が教室をはじめた動機は、妊婦さんとその家族に妊娠・出産について正しい知識を持っていただき、不要な不安を抱えずに妊娠・出産を安全に乗り越えていただきたいと考えているからです。
今ではインターネットで調べれば多くの情報が手に入りますが、その内容の信憑性には疑問のあるものから、不安をあおるもの、医学的な根拠はなく素人の個人的な意見など、有害とも思える内容も少なからず存在します。
情報が氾濫し、何が正しいのかもわからないような状態では、安心して妊娠・出産を乗り越えることは困難です。

また、皆さんが考えている妊娠・出産とは多くの場合、希望や幸せに満ちており、危険や不幸事が自分に降り注ぐなどとは微塵も考えていないことがほとんどです。
しかし、現実には様々なトラブルや予期しない出来事が待ち受けていることがあり、それに備えておく必要があります。私は皆さんにできるだけ幸せな妊娠生活、出産、その後の生活をスタートしてほしいと切に願っています。
そのためには少し専門的な内容でもきちんと考える時間を作って、妊娠・出産についてよく知っていただきたいと考えています。そうすればおのずと良い結果がついてくるのだと信じています。

 

妊婦さん本人、その家族、医療スタッフが同じ方向を向く

 妊婦さん本人や家族の方々と我々医療スタッフとがあまりにも知識がかけ離れすぎていた場合、一緒に考えて良い方向性を導き出すことは困難なことがあります。
一方的に我々の言うことをきくだけでは不満が残ることもありますし、皆さんの要求を無条件に受け入れると危険が生じる場合があります。
安全・快適に妊娠・出産がすすむようにするための近道はみんなが同じ方向を向くことだと思います。
私どもの教室やクラスがその一助になれば幸いです。

 

当院かかりつけでない方も大歓迎です。是非一度、教室をうけてみませんか?
きっと今後に役立つ知識を得たり、妊娠・出産に対する考え方が変わると思いますよ。
院長クラスの詳細はこちら☞https://www.mcl.baby/medical-info/#area4