妊娠中の解熱鎮痛剤使用について ~主にアセトアミノフェン(カロナール)の内服について~ 院長コラム#011

2021.08.23 院長コラム

院長の吉冨です。今回は妊娠中の解熱鎮痛剤の使用、特にアセトアミノフェン(カロナール)の内服について書こうと思います。エビデンス(科学的根拠)をふまえて私見を綴ります。

妊娠中の解熱鎮痛剤の使用について、ロキソニンなどに代表されるNSAIDsは流産を引き起こす可能性が報告されていたり、胎児動脈管早期閉鎖との関連性によって妊娠後期(28週以降)は禁忌とされています。

一方でアセトアミノフェン(カロナール)は安全性が高いとされ、使用経験は多く、欧米では妊婦の半数以上に使用経験があるとされています。妊娠後期の使用における胎児動脈管への影響との因果関係は認められていませんが、胎盤を通過し胎児の血液内に長期間蓄積すると報告されています。
最近では、注意欠陥多動性障害(ADHD)や自閉症スペクトラム(ASD)との関連を示唆する報告が多数散見されるようになってきており注意が必要です。
ある報告ではアセトアミノフェンの曝露量を少量・中等量・多量の3群に分けて解析した結果、少量群に対するADHDASDのリスクはそれぞれ、中等量群で2.26倍・2.14倍、多量群で2.86倍・3.62倍と用量が増加するほどリスクも上昇することが示されています。

しかし、妊娠中の医薬品使用による胎児へのリスク評価については、倫理的側面から直接の人体試験はできず、正確な評価は困難とされています。ADHDASDとの関連性に関する研究のほとんどが母親の自己申告情報に基づくものであり、曖昧な部分が存在するのも事実です。

 

以上のことから、私は妊娠中の解熱鎮痛剤の使用について、どの薬剤に関しても不要であればできるだけ使用しないのが良いのではないかと考えています
当然、必要な場合は必要最小限にとどめ、過度の不安を抱く必要もないと思いますので、解熱鎮痛剤をどうしても使用したい場合は医師に相談していただくのが良いかと思います